2005年外国人による日本語弁論大会 発表原稿
ビデオはここをクリック

私の行く道
グリブ ディーナ
ロシア
  「ええ、本当?1 年間留学するつもりなの?何のため?」と日本に来る前に友達に聞かれて私はとっても驚きました。
真剣に外国語を学ぶ人にとってその言語の国で勉強するのは一番望ましいことだと思います。
「日本語を習うために」という答えはあたりまえではないでしょうか。
 これまで勉強してきた日本語が本当の意味で使えるようになったのは日本に来てからです。
ロシアで習っても、あまり話せませんでした。
なぜかと言うと、小学校の英語の授業で「間違ってはだめよ。正しく言えないなら、黙ったほうがいい」とよく先生に言われて、その言葉をちゃんとおぼえていたからです。

けれども日本に来て変なことに気づきました。
それは文法や発音が完璧ではなくても、言いたいことを言うなら皆が我慢強く聞いてくださって、何とかわかってもらえるということです。
しかし黙っていれば、間違いは絶対ありませんが、誰もわかってくれません。
 私の夢は教師になることです。
まだ実現するかどうかわかりません。
でも、もしなれたら是非「間違いをするのはよくないですが、一番大切なのは人に話したい気持ちです」ということを子供に伝えたいと思っています。
 この夢を果たすために今京都教育大学で勉強しています。
今までの2 ヶ月の間色々な経験をしました。
例えば日本人の学生と一緒に日本語教育実習という科目をとっています。
そこで日本語の授業を行ったことがあります。
日本人の学生と私なんかよりずっと上手な留学生の前で日本語を教えるのは恥ずかしかったですが、本当に勉強になったと思います。
 実は日本で習っている教育方法はロシアのと違います。
ですからそれぞれのいいところを集めて、自分の日本語の教え方を作ることができないかなと思っています。
 今の一年の留学は私にとって素晴らしいチャンスです。
わずかな2 ヶ月に、もうロシアの1−2 年分の印象や体験を得たといっても言い過ぎではありません。
いくら本を読んでも、自分で見ないとわからないものがあると思います。
例えば、言葉でうまく言い表せないけど、目の前で本物の銀閣寺を見るのは写真を見るのと感じがちがいます。

また、ロシアで一生懸命「たこ焼き」と言う言葉を覚えようとしましたが、京都で一回食べただけで、その美味しさをもう忘れません。
ここに来てから博物館へいったり、神社やお寺を見たり、日本料理を味わったり、ただ歴史的な雰囲気の残った道を歩いたりしてちょっとだけでも日本文化に触れることができて、うれしいです。
 日本文化、教育、歴史、経済、日本語以外に、専門に全然関係ありませんが、生活に必要な一人暮らしの経験とかマナーやコミュニケーションの技術などを身につけました。

でも日本にいただいた一番素晴らしいプレゼントは笑顔です。
多くのロシア人のように私はいつも難しい顔をしていました。
しかし笑顔を大切にしている日本に来てから自然に笑えるようになりました。
笑顔で丁寧に話すと、何でもうまくいくでしょう。
笑顔は毎日の普段着ではなくて、晴れ着だと思うロシア人にこれも教えたいと思います。
 もちろん、教師になって、日本で得た経験を生かすのはそんなに簡単ではありません。
就職を初めとして色々な問題があります。
でも夢を果たすことができるかできないかは、本人の努力だけにかかっていると思います。
今後私の行かなければならない道は誰かに頼らないで、いい先生になるために自分で努力する道だと思います。
 私の言ったことはとても幼稚で、つまらなく聞こえるかもしれません。
現在の世界は重大な問題に直面しているときに、たとえば「日本で得た知識を生かして、日露関係に大きな貢献をしたいと思います」と言ったらもっと格好いいです。
しかし、そんなに難しく考えないで、自分にできることに専念したらいいのではないでしょうか。
回りの人々に他の国の文化を紹介したり、子供に知っていることを伝えたりしたら、それでこそ二つの国の間の掛け橋になれるのではないでしょうか。





元のページに戻る
[スピーチa]
[スピーチb]
[スピーチc]
[スピーチd]
[スピーチe]
[スピーチf]
[スピーチg]
[スピーチh]
[スピーチi]
[スピーチj]
[スピーチk]
[スピーチl]


[ホーム] [お知らせ] [YE] [弁論大会]
[ライオンズとは] [私達のクラブは] [奉仕活動] [メンバー]
[例会] [リンク]