2005年外国人による日本語弁論大会 発表原稿
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日本で得た知識や経験
-友情を大切にすること-

チョウ トウ
中国

 皆さんもご存知だと思いますが、「友情」という言葉は中国語もまったく同じ書き方です。
今日、私がここで皆さんにお話ししたいことは、友情を大切にする日本の友人たちのこと、彼らの国境を超えた(異国)友情のことです。
 私は小さい頃から日本に憧れを持っていました。
なぜ日本に憧れがあったかと言うと親戚のおばさんの話になります。
私が小学校5年生の時、おばさんは日本へ出張に行きました。
帰って来たとき、日本のお菓子をプレゼントしてくれました。
そのお菓子がとても美味しかったのです。
その時からぜひ将来、そのおいしいお菓子を作った日本へ行きたいと思いました。
おばさんは日本でとった写真も見せてくれました。
その写真の中の景色がとてもきれいだと思いました。
将来日本へ行く決心をさらに強めました。
中学校に入った時、必修科目は日本語でした。
私は始めから頑張って日本語を勉強しました。
日本語の成績はいつもクラスの中で最優秀でした。
高校の時もずっと最優秀でした。
大学では日本語と日本文化を専攻し、卒業してから3 年間、日本語の通訳・翻訳をした後、8 年間、短大で日本語教師の仕事をしました。
 4 年前に日本に来る夢がとうとう実現しました。
当時の勤務校の要請で瀬戸内短期大学に1 年間留学することになったからです。
とても嬉しい気持ちで日本へ来ました。
 その一年間、私は大学の関係する会社でバイトをしました。
日本は初めてだったので、全然、経験がなく、最初の頃は生活もバイトも慣れませんでした。
特にバイトはどうしても慣れない感じでした。
働く状況は中国とだいぶ違う所があります。
例えば、中国では仕事が何時までと言う場合、必ずその時間に帰ります。
仕事が終わらなくても帰ります。
だから最初私は5 時半になったらすぐに会社を出ました。
それを2 、3 回続けた後で、こう注意されました。
「仕事が終わってから帰ってください」と。
私はその時、全く理解できませんでしたのでとても不愉快な顔をしました。
相手の方ももちろん不愉快だったでしょう。
私は毎日とても悩みました。
 その時、知り合った一人の日本人の友達が日本の習慣やマナーなどをいろいろ教えてくれました。
毎週2 、3 回電話を掛けてくれました。
私はその友達の言うとおりにやりました。
そして、日本人と同じように仕事が全部終わってから会社を出ました。
すると、回りの日本人もとても優しくしてくれたので嬉しく思いました。
私もだんだん慣れました。
中国では「郷に入っては郷に従え」ということわざがあります。
日本に来たからにはなるべく日本人の立場から考えようと頑張りました。
そうでないと回りの日本人も困ると思ったからです。
外国にいる間になるべくその国の文化や習慣などを理解するほうがいいと思います。
外国の違う所を認めてその国の文化の中に溶け込んだらいちばんいいと思います。
そしたらほんとうの意味の国際交流ができます。
しかしその時もし日本人の友達の教えがなければその1 年間きっとつらい思いばかりだったと思います。
ほんとうにありがたいです。
 もう一つ私がとても感動したことは去年の大学院の受験の時でした。
私が大学院の受験のことを日本の友達に話した時、とても喜んでくれました。
二人の友達が二人とも「ホテルに泊まらないで私の家に泊まってください。
」と言いました。
そのうちの一人はとても忙しいのに3 日間休みをとって空港まで迎えに来てくれました。
そして、私を色々なところに連れていってくれました。
彼女の家は大阪にあります。
彼女は私が迷わずに受験する大谷大学まで行けるかどうか心配してくれて、前日にわざわざ私を連れて大学を見に行きました。
そして翌日の試験の時に使う文房具まで考えてくれました。
中国で試験は全部万年筆やボールペンなどを使いますので、私は中国から万年筆とボールペンしか持ってきませんでした。
彼女の注意がなければ私は試験日にきっと慌てたと思います。
もう一人の友達はわざわざ四国から京都まで会いに来てくれました。
だから私はとても嬉しかったです。
彼女たちはいろいろ励ましたり教えてくれたりしました。
試験はとてもうまく行きました。
ほんとうに心が暖かくなりました。
日本の友人たちが私に示してくれた「暖かい心」はいつまでも忘れられません。
 私は今すばらしい日本語教師を目指して頑張っています。
中国の学生に日本の文化を理解させると同時に友情を大切にする日本のことを伝えて行きたいと思っています。
自分の経験を生かして、多くの「暖かい心」を持った日中友好大使を育てるために力を尽くします。
日中友好の掛け橋になりたいと強く願っています。


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