日本で得た知識や経験 「日本の老人から学んだこと」 |
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チョウ シュクケイ 趙 淑卿 |
こんにちは! 今、私が留学している福知山市は山清く、水も空気もきれいで市民の人々も親切で勉強するのには最も適した環境です。 その福知山市で生活するようになって一年半が過ぎました。 私の気になっている事があります。 それは自転車で街を行き来する人々の中に年寄りの人がけっこう多いことです。 中には70才以上と思えるおじいちゃん、おばあちゃんがジーパンをはいておられる人もいます。 中国ではこのような風景はめったに見られません。 元気に頑張っておられる日本のお年寄りに私は強く感動しました。 中国では、60才になって退職すると社会的な活動をしないのが普通のことで、もし年寄りがジーパンみたいな青春とつながる若者の服装をし、きれいに化粧をしたりすると絶対におかしく見られるに違いありません。 一衣帯水の隣国である日中両国であっても、しかも同じように黒い髪の毛、黄色い皮膚の色で、見た目には同じように見えても、正反対のように考え方がなぜ違ってきたのでしょうか? 授業中や、新聞・テレビ等の報道の中で又暮らしの中にしばしば「少子高齢社会」という言葉をよく聞きます。 何となく毎日多くの老人の姿が目につくのかがやっと分かりました。 福知山市のような地方都市や、農村地帯では老人の問題が大きなウエイトをしめ、高齢化社会に対する不安が頭の中を横切りました。 13億人という世界一の人口をかかえる中国では貧困問題の解決の一つの方法として1979年から一人っ子政策を実施してきました。 確かに現在の貧困問題は解決するかわかりませんが、しかし、拾数年先には少数の若者の背中に多くの年寄りを背負わなければならない事になります。 日本の老人福祉政策は本当にすばらしいと思います。 国内では色々と問題もあるようですが、世界的に見るとよくできているのではないでしょうか。 それが世界一の長寿国家である証明になるでしょう。 私は日本留学中に日本の老人に対する政府の政策、老人の多彩で豊かな暮らしを研究し、中国にどのように導入していったらよいのか学んでいこうと思っています。 だから、日本のお年寄りの方との交流を楽しみにしています。 昨年5月頃、福知山市日中友好協会の交流会で知り合った高木はつ子さんというおばあちゃんは私を自分の孫のように受け入れてくださって、かわいがってくださいます。 私の日本留学の一つの目的である日本の伝統文化、特に各地に伝わる豊かな地方色文化を学びたい私にとって高木さんとの出会いは本当にうれしいできごとでした。 おばあちゃんの家で二人で子供のように笑ったり、時間がたつのも忘れて話したり、度々ごちそうになったりしました。 その中でも、もっとうれしかったのはおばあちゃんの温かい思いやりで、両親と遠く離れている私の心の寂しさを知らないうちに慰められていたことです。 多くの留学生たちが色々とお世話になっているおばあちゃんは70才以上です。 けれど、毎日毎日忙しくて暇はありません。 日本に来ている外国人に着物を着せてあげるし、若い人と一緒に絵も勉強するし、私に中国語を教えてくれませんかとも言われます。 交流会にはいつもお手伝いに来られます。 本当に若く感じます。 私は大好きな高木のおばあちゃんのように若々しく忙しく毎日を送っている日本のお年寄りの方々を心から尊敬します。 最近、私は母にこのような手紙を出しました。 「お母さん、日本では80才でもきれいに化粧するし、お肌がつるつるに若く見えるのですから、お母さんも化粧してみたらどうですか?」たぶん、「この齢で化粧したら恥ずかしくて外に出られないよ」という返事がくるでしょう。 でも、いつか中国の年寄りたちも必ず今の日本の年寄りの人々と同じようにきれいに自分を飾って今までのカラを破り、若い人に負けないような社会の第一線に、ボランティア活動に頑張るようになるでしょう。 これも私が母国中国で将来取り組みたいテーマの一つです。 教養もあり、人生経験豊富な年寄りの生活をより豊かで充実したものになるように私は自分のすべての力を尽くしたいと決意しました。 ご清聴ありがとうございました。 |