日本で得た知識や経験
「私と水」
ソ  リ
索 田
  私は内モンゴル出身です。私の国は、水が非常に貴重なものになっています。そのままの水は飲めないので色々な薬品で処理されています。
日本に留学する前、日本の水はとてもきれいで、そのまま飲めると聞きました。
また水源は豊かで、“水はただ”という言葉があることも聞いていました。
来日以来本当にそのおいしい水をいただき、その水が琵琶湖の水であることを知りました。

 初めて琵琶湖を見たのは昨年の夏でした。
その広さと青さに大変感激して、海とはまた別の風格があると思いました。
この春、友人に誘われて、琵琶湖博物館に行ったのですが、その美しい湖をもっと深く知ることができました。

 四百万年の歴史があり、日本で一番大きいといわれるこの湖は、面積が広くて、水がきれいで、魚類と貝類がたくさん生息しています。
その長い歴史の間に独自の文化を発展させてきたので『湖と人間との関係を歴史的に考える』ことを目的にうたって、1996年に琵琶湖博物館が作られたそうです。とても広い二階の建物の中で淡水の魚貝類の生息環境を再現し、そこに住む生き物たちの姿を紹介していました。
また人々の暮らしで水を利用することに伴う生態系の変化をたどり、減ってしまった希少淡水魚や絶滅した魚の標本などを展示してありました。
そこを歩きながら最近よくテレビ、新聞で放送されている「水の危機」、例えば「世界の人々の三分の一に当たる17億人が危険な水を飲んでおり、このために毎日二万五千人もの人が死亡している」また「21世紀は水戦争が起こる」などのことが思い出されました。
皆さんよくご存じのように、今私たちが飲んでいる水は琵琶湖から取って、浄水場で色々な化学分解を経て市民に供給されています。
しかし、比較的完成された技術と考えられていましたが、最近、塩素でも死なない微生物が見つかり、通常の処理方法では対応できなくなってきました。
また地球温暖化や産業活動による汚れた水の流出など環境被害によって「アオコの発生」「臭い水」などというように安心できない状況や危機が迫ってきている現象が起こっています。
「水」はすべての物の源であり、「水」なしでは生物は生きられません。

 一番心に残ったのは「未来の琵琶湖」というモデルでした。
それは70メートル以上の深い水の中で、日本特有の淡水魚が減ってきて、人為的に持ち込まれた外来魚が繁殖して、水の表面は現代生活のゴミによって覆いかぶされている様子でした。
滋賀県の統計によると、1971年外来魚の占める割合は1パーセントしかなかったけれど1997年になると87.3パーセントまで増えてきました。
それは外来魚が肉食のために、淡水魚をエサにして急繁殖したということでした。まだ、そのモデルのゴミの種類と水面が隠されてしまっている状態を見て、本当に驚きました。
生活水準が向上して、どんどん便利になることは本当にいいことなのだろうか?と思い、答えが出せませんでした。
でも私は、長い歴史を持ち、美しい琵琶湖をこれから先も大切にしなくてはいけないということを強く感じました。

 日本で二年近く生活して、日本と水の結びつきの大切さを学びました。
だから、小さなことかもしれないけれど、ゴミを簡単に捨てたり、水を汚したりすることはできるかぎりやめようと思いました。
そして自分の国に帰った後もこの水を大切にする気持ちを持ち続けたいと思いました。


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