私の見た日本の若者
ザン シャンホン
張    向紅  
  私は中国にある、ある日系企業に数年間勤めた事があり、日本人とか日本語の先生に日本について色々な事を聞いて、経済の発展した美しい国、そして自由のある国ととても大きな期待をして来日しました。
日本の若者は豊かで自由なライフスタイルで中国の若者とは大変な違いがあるそうですが、「百聞は一見に如かず」今年念願が叶い中国から日本の大学にきました。

 テレビ放送で、多くの若者は高校生も大学生もいったん就職しても、気にいらない仕事は三年以内に辞めてしまう人が多い。
特に日本の不景気による就職難の時代には、親に生活を見てもらい正式な就職をしない学生が増えているそうです。
これは自由とは言え、「我慢の出来ない人間」が多くなったとも感じられます。

 日本の生活は初めてであると共に、京都という土地柄から、今まで勉強してきた標準語に比べ京都弁は違和感があります。
外国人であることは若者と付き合うにも少し不利になり、よそ者と判ると親近感が無い為、簡単に入れないように感じられるような気がします。
日本へ来てまだ時間的に短く、私の知っている範囲も限られていますが、毎日通学電車の中は日本を知る為に非常に大切な時間となっています。
特に会社の通勤の人々は、学生・若者とは大分違います。
働く人たちは、特に男性は着ているものは定番のネクタイにビジネススーツに統一されています。
仕事に疲れて寝ている人、新聞雑誌を読んで情報収集に懸命な人、会社の資料を読んだりパソコンで資料を取り出し検討している人、日本経済の発展の為努力を尽くして、さすが経済大国になった理由もここに有ると感じます。
一方、活発で周囲の事なんか関係なく大きな声でショッピングなり恋愛なりの話をしたり笑ったりしている若者が多いですが、ごく一部の高校生は受験の為勉強している姿も見えます。
この間電車の中の高校生が数人集まり、元気に生き生きと大きな声で話をしていました。
その内容はアルバイトの雑誌を囲み、よいアルバイトが無いかと相談しているところでした。
中国には浪人は居ません。
能力に応じて選抜され、自分には学校選択のチャンスが少ない、従って学校のことは子供も親も一生懸命です。
私は今までずっと日本の高校生は親の援助で学費も小遣いも全部出してもらい生活していると思い込んでいましたが、高校生が仕事を探している事には非常に驚きました。
果たして何の為にアルバイトをしなければならないのか、非常に興味が湧きました。
遊ぶお金がほしいのか勉強の為に必要かは判りませんが、この様なことに関して自分の国では目標を明確に、自分の進む進路により具体的に勉強します。
それはより良い生活の為には、学歴とか能力で一生決まることが多い為です。
次に、日本の若者の食生活の面では、収入の多い人より場合によっては豪華な食事をしています。

 自分も最近アルバイトを始め、食事関係の職場で働いていますが、時にサラリーマンの人に比べ若者の食事は安価ではありません。
収入に応じた生活が基本と思いますが、実際は多少違います。
デパートで一般の人に比べ若者の買い物は非常に気前が良くびっくりします。
年齢が高くなるほど買い物は慎重で、特売場は中高年の人が多く居ますが、若者は割に少ないと感じます。
私は中国でショッピングとか、外食をすることが非常に好きな人間でしたが、日本へ来て一人でする食事自体も嫌ですが、経済的な理由でやむを得ず出来る限り自炊しています。
生活の為、今は我慢して日本で全力尽くして勉強し、自分の向上に努め、一生後悔しない生活と仕事をしたいと考えています。

 中国では現在一人っ子政策で子供は甘えん坊です。
着ている物も非常に豪華なブランド品、小皇帝と呼ばれて自分の自由にならない、又は欲求を満足できないと親を困らせます。
ここで日本の若者を合わせて考えると一部共通の方向にあると思います。
実に気ままで自分の考え方だけで行動をしており、きっと親も苦労していると思います。
経済は急速に発展して何でも手に入る時代が来ましたが、こういうふうな自立心の無い若者に国を任せても大丈夫か、国をだめにするのではないかと疑問に感じます。
中国で最近「新貴族」と言われる人間がいます。
それは適当な恋人はいるものの絶対結婚はしない、高収入の割に貯金はしないというようなタイプだそうです。
日本の若者は晩婚になると同時に、結婚しない女性が増えているそうです。
結婚こそお互いの気持ちを大切にしてお互いに助け合い我慢することが必要です。
この様に我慢をしない人間は結婚をしない事でわがままを通していると考えられます。
更に中国も日本も離婚率が増加しています。
一旦結婚に憧れ結婚するが、生活は大変で子供が生まれると非常に仕事が増え、自由が少なくなり我慢出来なく、離婚へと破局が訪れます。
これも我慢できない自立心の無い人間が増加していて、将来の国の行く末に問題があると強く感じられます。
日本も中国も社会や親の考えが大事だと思います。
幸福な社会とか、幸せな家庭はキットお互いに思いやりの心と我慢が必要であり、今の若者には何か欠けたものを感じます。

 そして将来私も指導者になり親になる場合は、是非このような風潮を何とか改善する事を考えて行動したいと考えています。
とはいっても、若者も何時か大人になり自分の生き方について責任ある立場になるのでしょうが、こんな感じ方をする私は若くないのかもしれません。
若いエネルギーが他の形で社会に貢献できる仕組みを大人たちも考えていく時代がやってくるでしょう。

 最後に、我慢の出来ない自分中心主義で、結婚もしない、就職もしない若者が多くなる社会に国民が唯流されているのでは、日本の将来まで無くなるような気がします。
社会も親もそして若者自身も、みんなで社会を変える努力が必要な時期に来ていると感じました。

ご静聴頂き、ありがとうございました。

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