本コンテンツは2008年1月10日での記述です。
Sight First !
1925年6月30日オハイオ州シーダーポイントでの第9回ライオンズクラブ国際大会においてゲストスピーカーのヘレン・ケラーが
「ライオンズよ!盲人のために闇を切り開く聖戦の騎士たれ」
と呼びかけて以来、盲人を助け、眼を守る運動はライオンズクラブの奉仕活動の大きな柱になっています。

チャターメンバー高橋寛眼科医による45年間継続老人ホーム医療奉仕

 チャーターメンバー高橋寛眼科医はクラブ結成時より老人ホームの眼科医療奉仕活動を継続されている。
 
45年間」は単純に人が一つの職業を全うできるスパンとしても長い。
 まして医療という高度な知識と技術、そして生身の人間と相対する、博愛を要求される最前線での臨床医療をされつつ、京都西ライオンズクラブの奉仕活動として老人ホーム嵐山寮、水尾寮の眼科医療活動を続けていただいてきた。そしてまた今年3月にも診療をしていただけることは、我々京都西ライオンズクラブメンバー全員の誇りであるとともに、最高レベルの行動規範である。

凡庸なメンバーには45年にわたる医療奉仕活動が高橋先生にどれ程のストレスを与えているかを知り得ない。また他の奉仕活動と同様に「喜び」もあるだろう。
 今回のこのコンテンツを制作するにあたり先生にエッセイを寄稿を依頼し、この奉仕の心を我々が共有できる手ががりになればと思ったが、先生の
謙虚と美学はインターネットのコンテンツとは相容れないものがあるようで、辞退された。
 手がかりを求めてクラブのファイルロッカーの歴代周年行事記念誌や機関紙 The West誌すべてを読みつくしたが、「検眼奉仕」の掲載の少なさに驚く。
1枚の写真でもあればいい部類で、ほとんどが1行「3月xx日検眼奉仕実施」程度の記載。それはホームページでも同様で弁論大会、ラグビー、ビオトープに比べればその掲載量は僅かであった。
また医師のみが為しえる診察治療行為が行われているのにもかかわらず、「検眼奉仕」という表現も単なる視力検査をしているかの軽い印象を与える。

 唯一の記事がこれである。
1970年4月号のクラブ機関紙THE WESTに高橋先生が寄稿された「老人ホームを訪れて8年」を再掲載する。
 この時点で1963年のクラブ結成時よりから始まった「眼科医療奉仕」は8年目を迎えていた。
以来37年この奉仕活動は継続し、誇りの歴史は更新されている。

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1970年4月1日 The West誌
(通巻第8号、当時は年4回、West誌が発刊されていた)
老人ホームを訪れて8年
高橋 寛
ボランティアの一人として西ライオンズクラブの盲人委員に指名された時、職業柄とはいえ、奉仕活動の内容について考えたものである。
 幸いに、視力保存盲人委員会綱領のなかで、「視力保護運動を主催し」という一項目が眼についた。

 余生を送り、しかも、眼の不自由な老人ホームの方々に、白内障の進行を少しでも防止する薬品を投与してはと考え、目の検診とカタリン点眼を施工することについて、クラブ会員から積極的なご協力を得て、文字通り、奉仕の一歩をふみだしたのである。

 時に1963年5月10日。当日は、検眼の結果から、健光園並びに嵐山寮に於て、L風間、L中田(保)L森川、L板倉、L今木、L小川、L吉川、私のメンバーのもとで、初めてカタリン点眼薬の贈呈式が行われた。厳粛な式、老人達とのなごやかな心のふれ合い等が、昨今のように、なつかしく思い出される。

 更に、この2ヶ所の老人ホームにつづいて、右京の僻地、水尾寮にも、同じ奉仕を行うことになり、1964年2月2日、初めてここを訪れた。当日は、寒風のなかを、L風間、L中田(保)と共に、積雪の道を運転したが、途中雪のためえんこし、ライオンが皆で車をおし、やっと峠をこしたこと等色々な思い出がある。その後、老眼鏡の贈呈も奉仕の一つに加えられた。

今年3月29日、藤田委員長のもとで実施されるまで16回の検診が継続されている。
1昨年は、私の仕事上クラブを欠席したため、当時の会長L八木、幹事L西村(四)にご迷惑をかけましたことを、紙面をかりて深くお詫びします。
 今日までこの小さな奉仕に進んでご協力たまわったクラブ会員に心から感謝します。
 今、この原稿をかきながら、8年前の検診メモをくっている時、ボランティアとしての感激をあらたにすると共に、その一員としてあらためて責任を感じるのである。
 今後益々、暗い谷間にライオニズムが浸透して少しでも光明を与えることが出来ればと念願しつつ。


アルバム


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1970年10月1日発行 The West誌 通巻10号より
これは1970年当時に行われていた無医村地区、京都市右京区宕陰(とういん)地区への総合医療奉仕活動の写真。小学校の体育館での診療、一番手前が眼科診療。
内科、外科、皮膚科、産婦人科、歯科、眼科の診療、レントゲン車も同行、法律相談も行うという多才な奉仕活動。住民220名中208名が受診した。


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1990-1991年のThe West誌より
1991年3月24日の奉仕活動



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1996年12月に開設されたホームページに掲載された写真
1996年3月24日の奉仕活動




2006-2007年のThe West誌より
2007年3月21日、嵐山寮、水尾寮での奉仕活動(撮影:富永和夫)
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2008年3月16日の活動報告
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洛西の水尾寮と嵐山寮の老人ホーム検眼奉仕を終えて!!

2008年3月20日 高橋寛

本年も皆さんの御協力により無事終了出来ました事を感謝して、ここに御報告致します。
この診療は老人ホームの方々の前眼部、中間透光体、眼座等を精検して、主として老人性白内障、緑内障、網膜黄斑部変性症等を検査し、更に今授の治療方針について患者が充分納得するよう説明することが最も重要であり、時間を要する奉仕活動であります。常に患者と医師の信頼関係の大切さがこの辺に有る事を思って行動しているのであります。更に視力検査や視野検査も重要な検査の一つであります。

水尾寮診察報告 受診者数27(入所者約60名

イ、新患 7名

ロ、旧患20名

ハ、メガネ処方 0名

老人性白内障   7名
老人性白内障  18名
僞水晶体症    2名
嵐山寮診察報告 受診者数31(入所者約70名)
イ、新患 7名

ロ、旧患23名

ハ、メガネ処方  1名

老人性白内障   7名
老人性白内障  16名
僞水晶体症    3名
角膜ヘルペス(重症) 1名
涙液分泌不全症  1名
メガネ処方    1名
網膜動脈硬化症  1名

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