2008年外国人による日本語弁論大会 発表原稿 |
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「巧み輪を描こう」 | ケイ レイクン 中国 |
「もしもし、陽ちゃん元気?」
「うん、僕元気だよ。そうだ、今度の期末試験は数学が100点取ったよ、だけど国語が99点だった。もう少しでダブル満点取れそうだったのにね。」と電話で悔しそうに聞こえます。 私は、日本に来てから一年間半、よく電話で息子と連絡を取っています。学校生活は、幼稚園と大分違うので、本格的な学校教育に彼がなじめているかどうか、いろいろ心配でたまりません。 息子が入学したころ、私は日本で専攻研究を始めました。専門用語など言葉の問題もあれば、研究方法、発表など、なかなか慣れないこともあります。 ようやく、少しずつうまくなってきているように思います。 陽ちゃんは、習いたての言葉で私に便りを書いてきてくれます。 先生は優しいけど、毎日国語と数学ばかりの繰り返しで、ちょっと飽きてきたと言います。 「遊び相手もいないし、遊ぶ時間も全然ないよ。だって宿題が山ほど出るんだもん。夜10時にならないと、どうにも終わらない」と手紙に書いてありました。 これこそ中国の「宿題教育」です。一人っ子の悲しみだと思うほかありません。子供によい技能をつけさせることに時間をかけて取り組むのが、現代の教育と言えるだろうかと考えました。 去年、私は華子と知り合いました。 華子は関西日中交流会で仕事をしています。 それがきっかけで、私は日本と中国の小学校の交流に関する仕事に携わりました。 たくさんの暖かい心を持つ日本人が中国の貧困地域で頑張っている小学生に対して、支援をしてくださっているのです。 7月に寧夏の小学生が10人ほど日本へ招かれました。 互いに顔を合わせたのは初めてでしたが、すぐ親しくなりました。 支える側と支えられる側の間には、すでに絆が繋がっていたのでしょう。 愛と理解は国境を越えて、お互いの心に届きました。 今でも、赤いほっぺの寧夏の子供たちの恥ずかしそうな顔をはっきり覚えています。 旱魃の地方において、水というものが代々地元の人々を困らせてきました。 彼らは初めてはるばる外国に来て、初めて水泳の授業を体験しました。 生まれてから初めて水着を着てプールに入る寧夏の子供たちの表情は緊張しながらとても興奮していました。 先生はプールで子供の世話をしています。 皆さんは指示にしたがって、チームワークを組みながら学んでいます。 水の刺激を与えられ、プールには無邪気な笑い声が溢れています。 水の世界で、両国の子供が手をしっかり握りあい、存分にはしゃいでいました。 寧夏の子供たちが水泳ができないのは無理もないが、まさか縄跳びさえもできないとは思いもよりませんでした。 寧夏代表団は、完敗でした。なぜ全然だめなのと聞いたら、恥ずかしげに「成績がよければ十分だと皆そう思っているの。だって遊ぶ環境や設備が整っていないのよ。」と教えてくれました。 陽ちゃんを思い出して、私は言葉が詰まってしまいました。 向こうの小学校は、成績のいい学生を育成するばかりです。 子供の気持ちをどれほど考えてくれているか分かりません。 21世紀に入り、学歴社会ではなく能力社会がやってきました。 経済の発展とともに、各分野の飛躍が望まれています。 家庭科の授業ではまたチームワークでみたらし団子を作るのです。 |
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