2006年外国人による日本語弁論大会 発表原稿
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「負け犬と私」

イ ヨンジョン

韓国

私の選考は経営学。あと副専攻は国際関係学、その中でも日本地域研究です。
私が日本に来るきっかけとなったのがこの日本地域研究の必須科目、日本について自由に研究をして論文を書く 日本セミナーでした。
私は昔から日本と関係のある仕事をしている人や日本文化に興味のある人など、とにかく日本という国と何かの縁がある人が周りに多かったので、自然に日本のことを近くに感じていました。
でもそういう感情はあいまいなもので、はっきり自分が日本の何について勉強したいのかは自分でもよくわからなかったのです。
いろんな分野に興味はあったけれど、深く関心を持って勉強したことはない。
私の薄い知識と情熱のせいで論文の主題はなかなか決まらなかったです。
壁にぶつかった私は最初、原点から考え直してみようと思いました。
私は人間である。
そして女である。
あと韓国の国民である。
そういう風にひとつひとつ考えてみました。
そいして思いついたのが日本の女性っていう言葉
韓国と日本の社会はお互い影響を与えたり、受けたりしながら、変化して行きます。
それで私は日本の女性の考え方の変化、今の女性の位置などについて研究し、韓国の女の社会の変化などと比較して、どんな風に二つの国がまた変わっていくのかを 予見してみようと思ったのです。
私が現在の日本女性を見るキーワードとして選んだのが「負け犬」でした。
当時「負け犬の遠吠え」という本が大ヒットを記録し、テレビや雑誌などで多く報道されていたからです。
でも負け犬という言葉が生み出されてまだあまり時間がたってなかったので、先行研究が全然行われていなかったし、信頼できる機関での調査結果などもほとんど見つかりませんでした。
私は韓国にいながら自分の位置でできる範囲のことは全部やって論文を完成しました。
でも、やっぱり後悔は残って、もし私が今日本にいて、もっといろんな日本人に会って、インタービューして、役に立つ資料を集めることができたなら、という声が頭の中から離れませんでした。

 それで私は日本に来ました
日本に来て私は日本で手にすることができる資料を図書館でさがしてみて、また友達の紹介などで いろんな女性に会いました。
とくに負け犬って呼ばれている人たちに会いました。
負け犬って呼ばれてる人たちはその名前とは違って結構経済力をもっていて、自分の趣味生活にお金を使うことに迷いがない人がほとんどでした。
結婚しないで、経済力を持ってて、好きなように生きていこうとする女のそういう傾向は、韓国社会でもある現況で、今の日本の女性と強く通じています。
しかもそういう傾向はだんだんつよくなっています。
最初はただ日本地域研究として勉強しただけだったのですが、調査していくうちに、これを元々の先行である経営学の視点から見るともっと面白いんじゃないかってことに気付きました。
これだけ経済力と時間を持っている人たちの集まりがいる。そういう人たちの集まりは当分続くことがわかっている。しかもひとつの国でもない二つの国でそういうことが起きている。こんないいマーケットがまだどこにあるだろう。
だったら負け犬をターゲットにしたマーケティングを考えてみたらどうかってことまでたどり着いたのです。
負け犬をターゲットにした、女性一人旅のプランとか女性ソロ専用レストランなどが営業し始めているけど、まどその範囲はそこまで広くないし、まだまだ開拓する分野はいっぱい残っています。
でもその後、韓国と日本にまったく同じ戦略を使うのは無理だってことに私は気付きました。
韓国と日本の女性の間には大きな違いがあって、韓国の女性は結婚しないという意志を持って独身を選ぶ人が多いのですが、日本の女性の場合は特に結婚しないつもりではなかったのにいつの間にか結婚適齢期が過ぎてしまって結婚できないという曖昧な状況の人が多かったのです。
これからはそういう違いをもっと研究して各国に合わせた女性マーケティング戦略を立てることができてそれを企業で使うことができるように頑張るつもりです。
そしてそれが自分のキャリア開発にも役に立つようにしたいと思っています。
私は日本で未来と目的を見つけました。
もっと多くの人がこの国で夢をみつけることを、私は強く望んでいます。


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