2006年外国人による日本語弁論大会 発表原稿
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「スキヤキ」

リー イイ

台湾

 日本の留学生生活が始まってわずか一ヶ月、観光客として日本に遊びに来るのと違って、私はこの留学生としての一年間を十分に利用して、日本語を上達させるだけではなく、私の国と長い付き合いのある日本の文化を体験したいと思います。
 日本で生活することは、体験というより一つの学習です。
日本の長所を学び、国に帰ったら、日本で見たり、聞いたりしたことを生かして社会に貢献したいと思います。
大きなことはできないかもしれませんが、私のほんの少しの力を尽くせるなら、それで満足です。
小さい頃から文学に興味があって、将来作家になりたいと思っている私は、文字にはとても大きな力があると信じています。
私は自分が日本で得た収穫や考えなどを将来台湾の人々に文字を通して伝えたいと思います。
私の文章によって、たとえ日本へきたことがない人でも、日本の風俗や文化を深く感じ取れるようなそんな文章で私の経験を表現したいと思ってます。

 日本に来てこの一ヶ月間、自分が京都という文化の満ちた町を選択して、本当によかったと思っています。
その中で一番印象に残ったことは日本の人たちは自分の国の古い遺産に対して、細心の注意を払って、保存や保護をしていることです。
そのおかげで、日本に観光に来た人や留学に来た外国人も、現代的な都市生活を送りつつ歴史的な文化意識を感じることができます。
日本の人が古い遺産を守るという気持ちは昔からの文化を大切にする気持ちでもあります。
たとえば、日本の茶道、本当は中国の唐文化から入ってきたもので、お茶を入れる道具や方法などは今でも宝物と見なされ、正倉院に保存されています。
先日、私は大学の授業で、その一年のうちわずか十日しか展示されていない貴重な茶道具を見ることができました。
中国の古い遺産がこうして、世界各地で大切に保存されているのを目にした私は、少し複雑な気持ちになりました。

 一方で、日本にはとても対照的な新しい文化も存在しています。
先日、私は名古屋に行きましたが、駅の近くには伝統的な建物は一つもなく、まるでニューヨークのようだと思いました。
でも、建物だけではなく、若い人たちの間にも洋風の文化が深く浸透していると気づきました。
とくに、外国からの服や化粧品のブランドは若い人の間で人気があるようです。
日本の音楽も、今はほとんど英語の入った歌が多いですが、日本語辞退のもつ美しさを生かした曲が私は好きです。
たとえば、「スキヤキ」です。上を向いて歩こう、涙がこぼれないように。
この歌は古くて新しい歌で、ずっと世界で行き続けています。
新しい物と古い物をうまく融合させるのも大切なのではないでしょうか。
 異文化を受け入れることは、同時に自分の国の文化を再発見することでもあると思います。
そうしてこそ、文化交流は初めて相互のよさを学び合えるものとなると信じています。
これからも残された留学の時間を生かし、日本の文化を理解したり、体験したりして、そして、自分が生まれた国に何かを伝えたいと思います。
以上ご静聴、ありがとうございました。



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