2004年外国人による日本語弁論大会 発表原稿 |
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「自転車修理の効能」 |
ブリマ |
今日ここにいらっしゃる日本人の皆さんは自分で自転車修理をしたことがありますか。 私は日本に来て三日目に中古自転車を買いました。 4ヶ月たったある日学校からの帰り道でタイヤの空気がなくなっているのに気がつきました。 困った私はどうすればいいか分からなくて歩いている見知らぬ人に聞いたところ、日本では自転車を売っている所でしか修理してもらえないことが分かりました。 ですから私は30分自転車を押して中古自転車を売っている所まで行きました。 その時はじめて私は日本には自転車を修理する所が少ないことに気づいたのです。 そして同時に故郷のおおげさに言えば信号ごとに「自転車修理をしているおじさん」のことを思い出しました。 私は国にいる時はそのおじさん達が嫌でした。 空気を入れるだけで「1元」、空気入れを貸してもらって自分で入れたら「0.5元」、日本円で言えば「15円」や「10円」くらいですが、かならずお金をとられるからです。 町中にあふれるほどの修理屋さんがいるから家庭では空気入れなど修理道具を買う必要はありません。 しかし私の実家では町から遠く離れたバスで8時間もかかる砂漠の中にあります。 あまりにも遠くて、交通も不便ですからどの家庭でもだいたい一台ずつ自動車を持っているのですが、家と家との距離も遠いので自分で車を修理できなかったり、修理道具がなかったりしたら車が故障した場合には明かりのない砂漠の中で夜を過ごすことになるのです。 私にもこんな経験があります。 小学校4年生の冬休み、父は車で町まで私を迎えに来てくれたついでにお正月の買い物をして、翌日一緒に実家に向けて夜明けに出発しました。 そんなに早く出発したのは、帰りに大きな砂漠を通るため、車が重くて途中で止まってしまうと困るからです。しかしながらちょうど砂漠の真ん中で車は故障して止まってしまったのです。 そしてあまりにも大きい故障だったので結局自分達では修理できなくてそこで一夜を過ごすことになってしまいました。 次の日通りがかった車を止めて直してもらって助かったのですが、そんな風に私達村の人間は厳しい環境の中自分自身で解決方法を見つけたり、助け合ったりしながら生きています。 それができなければそのように寒くて何もない砂漠の中で一夜を過ごすことになるのです。 私のこんな経験を日本人の友達に聞かせたらとても驚いていました。 日本がいくら発達したと言っても将来困ることが起こらないとは限りません。 機械に頼り過ぎていたら万一機械が使えなくなった場合自分は何もできなくなっているかもしれません。 最後にもし会場の中で自転車の修理ができなくて困っている人がいれば是非私に言ってください。 |
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