2004年外国人による日本語弁論大会 発表原稿 |
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「ボランティアに溢れる社会づくりを目指して」 |
ソウ エイキン |
皆さんはボランティアの手を借りたことがありますか? またボランティアをしたことはありませんか? 私が日本に来て初めてボランティアに会ったのは、日本語学校ででした。 四年前、日本に来たばかりの時は○×(まる、ばつ)さえ言えませんでした。 そんな私に毎週一回決められた時間に来て、日本語の会話の相手になってくれる一人のボランティアがいました。 一週間に一時間のその時間は、私にとって学校で勉強した文法を、日常会話で活用できる唯一の機会でした。 でも、いつも忙しそうに見える彼女が、なぜ身も知らぬ私に何の報酬もなく付き合ってくれるのか、その時の私には分かりませんでした。 「どうして」という私の質問に、「楽しいから」と言ってくれる彼女を、不思議な人だなと思いました。 大学に入ってからボランティア概論などの、人間文化についての総合的な勉強を始めました。 去年の5月から、私は「京都ISC」(インターナショナル・サービス・センター)というボランティア組織の一員となり、外国人観光客に京都を案内するボランティア活動に参加しています。 この間、私は同じ中国からの留学生の友達に、電話でこの話をしました。 これまでは、日本でもボランティアは特殊な人々がする、特別な活動と見なされていました。 しかし、1995年の阪神淡路大震災における非常に多くのボランティアの活動をきっかけに、ボランティアに対する社会的認知度が一気に上昇しました。 2−2 これまでに考えられていた特殊な人々しかできない行為ではなく、誰もができる普通の手助けとなってきています。私は経済高度成長期を迎え先進国になり、経済的にも精神的にも豊に過ごしている日本人の心を支えていくのが、ボランティアではないかと思います。 1980年代から、中国でもボランティア活動は、社会に貢献する存在として注目され、政府も推進しています。中国では「義工」(yigong)と呼ばれ、社会的関心を集めていますが、中国の人たちはボランティアについてまだあまり理解していません。 一人一人がボランティア活動をする限り、人々はお互いに支えあい、心豊かに生きていけると思っています。ボランティア活動が盛んになれば、世の中はきっとより住みやすい、居心地の良い場所になると信じています。 私は、中国でボランティアの先駆けとして活動している人たちと手を携えて、ボランティアに溢れる中国の社会づくりを目指していきたいと思います。 |
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