2003年外国人による日本語弁論大会 発表原稿
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「日本での経験を生かす-将来の夢」
リ セイホウ
 私は子供時代から、ずっと動物が好きです。
 その中でも、一番好きなのは犬だと思います。高校時代、やっと念願のペットとして犬が家にやってきました。
 その時から、犬は人間の一番のいい友達であるという言葉の意味が次第にわかってきました。
これは、多分犬を飼ったことのある人は皆同じだと思います。

 日本へ留学に来たのは一年半前のことでした。
 最初は家族や犬が恋しい時にはよく学校の周辺の山を散歩していました。
 それは、そこでは犬を散歩させる人に会うことができるからです。
 そしてだんだん、いつも犬を連れて散歩する住民と親しくなりました。

 住民の中に、盲導犬や介助犬のパピーウォーカーを勤める人がいました。
 その人はキュートというラブラドール・レドリバーの世話をしていました。
 そのうち、キュートは盲導犬や介助犬の繁殖犬として選ばれました。
 こういう話をしたおかげで、私は初めて盲導犬や介助犬の育成システムや、それを支えるボランティア活動をする人々がいるということを知りました。

 その後、偶然にも、キュートが生んだ子犬の中の二匹は私の母国−台湾の盲導犬協会に贈られることになりました。
 これは、日本と台湾の間では初めてのことです。
 これがきっかけで、私は自国の現役盲導犬の数がわずかに六匹と、大変不足していることがわかりました。 
そして、自国の唯一の盲導犬協会が2002年4月に成立してから、まだ2年も経っていないということもわかりました。
 これに対して、学生の自分は何ができるのかと考えていました。
しかし、やはり忙しい勉学生活の中で、このことは心の中に置いたままになっていました。

 再び、盲導犬や介助犬の重要性を強く感じたのは最近のことでした。
 それは、身の回りの人が病気で、車椅子を使わなければならなくなった時でした。
 その時、体の不自由な人に対しての、盲導犬や介助犬の重要性を実感しました。
 そのため、将来、私は盲導犬や介助犬に関するボランティア活動をしようと決意しました。

 台湾の盲導犬協会の情報によると、盲導犬の数を増やし、訓練するために、この領域の先進国と交流する必要があるそうです。
 そして、国民に盲導犬や介助犬に関する正確な情報を宣伝することも重要です。
 正確な情報とは例えば、盲導犬たちに関する認識や接し方などについてです。
 それは、盲導犬や介助犬は大型犬を用いるため、犬のことをあまり知らない人にとっては、恐怖感や拒絶反応を覚えることもあるからです。
 また、仕事中の盲導犬たちに触ったり、食べ物を与えたりする人がいる恐れがあるため、盲導犬たちが仕事に集中できなくなるということもあります。
 だから、盲導犬協会などが中心となって、盲導犬たちに対する正しい理解を広める必要があるのです。

 日本には、すでに成立した盲導犬協会は北海道から九州まで九つあります。
 メディアでもよく盲導犬や介助犬などの重要さやそれらに対する正しい情報がよく宣伝されています。
 これに対して、台湾の盲導犬協会は本当に成立したばかりです。
 そのため、台湾はこれからもいろいろ日本の経験やアドバイスを参考にする必要があると思います。

 日本に留学している私は日本語の力を持っています。
 だから、将来この分野で有用な情報を翻訳して国に伝えるという形で役に立つことができると思います。
 そのために、日本にいるうちに、日本の盲導犬訓練センターを見学して情報や知識などを集めてみようと思います。
 その他、もっといろいろとこの分野の知識を吸収する目標があります。

 国に戻った時、盲導犬や介助犬に関する本格的なボランティア活動をしてみたいです。
 そうすれば、日本で得た知識を直接周りの人に宣伝することができると思います。
 また、日台交流するときの通訳のボランティアでも貢献できると思います。
 その他、時間や経済力に余裕があれば、自分もパピーウォーカーになってみたいです。
 それを通して、人の助けができる犬の一匹を増やすことができればうれしいと思います。

 私は犬を飼ったことがあるので、犬は人間の一番のいい友達だと確信しています。
 そのため、体の不自由な人も盲導犬たちの助けを受ければ、心身ともにもっと明るく、元気を出して暮らすことができると思います。
 そこで、犬好きの自分が、将来日本で得た盲導犬・介助犬の知識や日本語の力を生かせば、ボランティア活動をして有意義な日々を送るという夢が実現できると信じています。


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